トレーニングは「自分を知る時間」

こんにちは。
BodyStoic名古屋店代表兼パーソナルトレーナーの
髙橋宏和です。
「言われたとおりに動いているつもりなんですが」
運動をしていて、そんなふうに感じたことはありませんか?
腕を上げることはできる。
でも、どこから動き始めたのかは分からない。
動けているのに、自分がどう動いたかは説明できない。
僕は、普段は意識していない身体の動きを感じ取ることが、トレーニングの大切な時間だと考えています。
自分がどう動いているかを知ることから、身体づくりは始まります。
動かしているつもりと実際は違う
普段、コップを取るたびに肩や肘の位置を考えることはありません。
身体は、慣れた動きを繰り返しています。
だからこそ、「どうやって腕を上げましたか?」と聞かれると、説明できないことがあります。
腕を上げたことは分かる。
でも、肩が先に動いたのか、身体が傾いたのかは分からない。
動作を終えられたことと、その過程を認識できていることには違いがあります。
トレーニングでは、いつもの動きをゆっくり行ったり、動く範囲を変えたりします。
その中で、普段は気にしていなかった力の入り方や、重心の移り方を感じ取っていきます。
目で確かめる前に身体の内側を感じる
自分の位置が分からないと、鏡を見て確認したくなります。
たまに鏡でチェックすることは構いません。
ただ、動くたびに鏡を見て位置を合わせていると、意識は身体の内側よりも見た目へ向かいます。
鏡がなくなった途端、自分の腕がどこにあるか分からない。
それでは、目で確かめなければ動けないままです。
今、腕はどの辺りにあるか。
肩にどんな力が入っているか。
動いたことで、足裏にかかる重さは変わったか。
まずは、そうした感覚へ意識を向けます。
BodyStoicで大切にしている水平も、見た目の形を合わせて終わるものではありません。
動きの中で、自分の身体が水平に対してどう位置しているかを感じ取っていきます。
目で見なければ分からない状態から、身体の内側で分かる状態へ。その感覚を養っていきます。
正しさを探す前に動きを言葉にする
違いに気づくと、すぐに直したくなるかもしれません。
けれど、その前に、何が起きていたかを確かめてください。
「右の肩だけが先に上がった」
「腕を動かしたら、左足へ重さが移った」
「下ろした腕が、最初より前にある」
このくらい具体的に分かると、次に同じ動きをしたとき、変化を比べられます。
「なんとなく変だった」から、一歩進めるのです。
左右差はあって当然です。
同じ形や感覚にそろえる必要はありません。
左右は動きの中で異なる役割を担います。
大切なのは、左右を比べて優劣をつけることではなく、それぞれがどう働いているかを知ることです。
まずは、自分の動きを自分の言葉で捉える。
正しい、間違いを判断するのは、もっと後の話です。
腕が動き始める瞬間を感じてみる
椅子に座り、片腕を動かしてみましょう。
両足を床につけ、両手を太ももの上へ置きます。
手元を目で追わず、片腕を無理のない範囲でゆっくり前へ上げます。
動き始めに、どこへ力が入ったかを感じます。
ゆっくり下ろし、力の入り方がどう変わるかを確かめます。
腕を上げる前から、首に力が入っていた。
手が太ももから離れるとき、肩も動いた。
下ろし終わっても、腕に力が残っていた。
感じたことを、一つだけ言葉にしてみてください。
何も分からなければ、分からないところから始めれば大丈夫です。
正しく動こうとする前に、自分の中で何が起きているかへ意識を向けます。
反対の腕も試すなら、同じように動かそうとせず、その腕の感覚を確かめてください。
左右の違いは、そろえるための課題ではありません。
今の自分を知るための情報です。
自分を知る時間を日常へつなげる
トレーニング中に分かったことは、日常にも持ち帰れます。
棚へ手を伸ばしたとき、「今も右肩から動いたな」と気づく。
買い物袋を持ったとき、いつも同じ側へ身体を寄せていると分かる。
以前は何も考えずに終えていた動作に、自分で気づける場面が増えていきます。
気づいたからといって、その場ですべて直せる必要はありません。
「今日はここが分かった」
「この動きは、まだ分からない」
その両方が、次に確かめることを教えてくれます。
BodyStoic名古屋店では、ピラティスの動きを通して、身体の位置や力の入り方を自分で感じ取る時間を大切にしています。
自分の身体を知るほど、次に何を確かめればよいかが具体的になります。
次のトレーニングでは、いつもの動きを一つ選んでみてください。
どう動くつもりだったか。
実際には、どこから動き始めたか。
その違いを確かめる時間を、自分のためにつくってみてください。